一般内科

・CT検査でわかること
 CT検査は、外から見ることが困難な脳や肺、腹部などの輪切りの画像を数分の検査時間で見ることができます。特に脳は骨に囲まれているため、CTが開発される以前は頭部の中を見ることは容易ではありませんでした。以前は脳に空気を送りレントゲン撮影する気脳撮影など、複雑な検査が行われていましたが、今ではCTにより、鮮明な画像を短時間で詳細に検査できるようになりました。CTは、骨は白く、空気や水は黒く、脳や内臓は灰色の画像として描出され、骨に囲まれた脳や心臓の裏側に隠れた肺の病変も見つけやすくなります。脳の検査では、脳の中が白くなっていたら脳出血、黒くなっていたら脳梗塞、脳室の拡大があると水頭症、萎縮があるとアルツハイマー病、というように画像から病気の可能性を推測したり、診断することができます。頭痛、ふらつき、物忘れなど気になる人は検査をおすすめします。

神経内科・脳神経内科

・脳卒中

 脳卒中とは脳の血管の病気で脳血管障害とも言います。卒(にわか)に何かに中った(あたった)ように卒倒することを意味しています。脳卒中には、血管が詰まる脳梗塞、血管が破れる脳出血・くも膜下出血があり、脳梗塞には、小血管が詰まるラクナ梗塞と大血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞、血の塊が血管に詰まる脳塞栓症があります。症状は似ていることもありますが、出血・梗塞・塞栓では発症の原因と治療法が異なってきます。FASTという標語があり、顔がゆがむ(Face)、手足に力が入らない(Arm)、呂律が回らない(Speech)といった症状が出現したら、発症時間(Time)を確認してすぐ(FAST)に救急受診することが大切です。Time is money.から派生したTime is brainという言葉があり、一刻も早い治療が大切ですが、発症予防が何よりも重要なのは言うまでもありません。日頃からの正しい生活習慣の積み重ねが脳卒中の予防につながります。

・もの忘れ、認知症(座敷わらしと出会ったら?)

 神経内科というと聞き慣れないかもしれませんが、脳や脊髄の病気、脳梗塞や頭痛、パーキンソン病、認知症などを扱う科です。パーキンソン病は手の震えや歩きにくさ、認知症は物忘れが主な症状ですが、なかには無いものが有るように見える幻視という症状があり、パーキンソン病の50%、認知症のひとつであるレビー小体型認知症の73%にみられるともいわれています。たとえば「誰も居ない家の中で知らない子供が見えた」といった幻視の症状もあり、座敷わらしに似ているということから、座敷わらしの逸話の中には幻視の症状があったのでは?ということを示した論文(※)もあります。座敷わらしは神聖なもので福の神と言われていますが、手が震える・歩きにくいといった症状や物忘れが気になり、座敷わらしを見たことがある方は、もしかしたらパーキンソン病や認知症が隠れている可能性があるかもしれません。サインを見逃さず、早目の受診を。

 ※Levy小体病における幻覚とザシキワラシ(座敷童子)との類似点ー民俗学史料への病跡学的分析の試み  獨協医科大学駒ヶ嶺朋子先生ら

糖尿病

・糖尿病

 糖分は体の細胞に取り込まれて、エネルギー源として利用されます。細胞に糖分を取り込んでエネルギーとして活用するためにインスリンというホルモンを用いるのですが、そのインスリンの作用不足のため糖分を利用できなくなり、血糖値が高くなっている状態の事を糖尿病といいます。高血糖が続くと、口渇、多飲、多尿とった症状が出てきます。さらには、動脈硬化が進行し、細い動脈の障害として網膜症・腎症・末梢神経障害、太い血管の障害として脳血管障害・虚血性心疾患といった疾患が引き起こされます。

 これらの疾患の発症を予防するためにも、良好な血糖コントロールが大切です。コントロール目標としてHbA1cという血糖の指標があり、この数値を適切な目標値に維持していく事が重要です。そのためには、食事・運動が基本となりますが、コントロールが不十分な場合には薬物療法を行います。現在ではインスリン抵抗性を改善する薬剤、インスリン分泌を促進する薬剤、糖の吸収や排泄を調整する薬剤、インスリン注射など、状態にあった治療を組み合わせていくことになります。

 糖尿病治療の目標は、健康な人と変わらない日常生活を維持していくことであり、そのためには生活習慣を含めた総合的な取り組みが大切です。

眼科

・糖尿病網膜症

 糖尿病網膜症は糖尿病3大合併症のうちのひとつです。血糖値が高くなると血液 がドロドロになり、網膜(景色の情報を感 じとる部分)の血管が詰まるため、網膜へ酸素や栄養が届かなくなることが糖尿病網膜症の原因です。不足している酸素や栄 養を網膜へ行き渡らせるために、本来は存在しない新生血管ができます。この新生血管はもろく、眼の中で出血やむくみが生じることにより視力障害が起こり、糖尿病 網膜症を放置すると失明の危険もあります。糖尿病を発症してすぐに糖尿病網膜 症になるわけではありませんが初期には 自覚症状もないことが大部分なので、見えるから大丈夫と思って眼科を受診しないでいるうちに、糖尿病網膜症が発症し進行する危険があります。
 糖尿病網膜症の早期発見・進行予防のためにも、 糖尿病と診断された人は血糖値のコントロールと並行して定期的な眼科検査をおすすめします。

・白内障の見え方

白内障はカメラにたとえればレンズに相当する部分に濁りが生じて起こります。原因としては大部分が加齢によるものですが、外傷(眼のケガ)や全身の病気(糖尿病など)により起こることもあります。症状としてはかすんで見える、まぶしい、ものが2重3重にみえる(月が2重3重に見えると話す方が多いです)、近視が進むため近くものがよく見えるようになる、などがあります。また景色が黄色がかって見えてくるようにもなります。そのため白内障の手術後は手術前に比べて、本来の見え方に戻ったわけなのですが景色から黄色みが減っての色調が変わったように感じることがあります。白内障の進行はゆっくりとしたものなのでいつの間にか景色の見え方が変わってくるため、見え方の変化になかなか気がつかないことが多いのですが、このような見え方に心当たりがあるときは眼科受診をお勧めします。

・飛蚊症について

飛蚊症は明るいところや白い壁を見たときに黒い点・糸くず・透明な輪状のも のなどが見える症状です。原因として眼の 中にあるゼリー状の物質に部分的な濁りが生じ、その影が網膜に映ることでこのような症状が起こります。この症状の大部分は生理的なものであり、飛蚊の数が急激に増えることは少なく、生理的な原因による飛蚊症の場合は特に治療を要しません。生理的な原因とは別に病的な原因で飛 蚊症が生じることがあります。病的な原因 として網膜裂孔・網膜剥離・硝子体出血・ ぶどう膜炎などがあります。これらの場合は飛蚊の数が急に増えたり、周囲の景色が急に見えにくくなることが多く、病的な原因の時は早期治療が必要となります。原因が生理的なものか病的なものかを見極め、そして原因が病的なものであれば早期発見早期治療のためにも、飛蚊を自覚したときは眼科受診をおすすめします。